Stagnativ Short Stories



彡(^)(^)



2chにて作品の要素を募りました

水状宇宙…………いつからだろう。宇宙が水状になったのは………
コーーーーーーー――――

テンシ「あといくつ泳げば月まで到達するのだろうか」



コーーーーーーー―――……
ボコッ、ボコッ、ブク、ブク

テンシ「――息ができない。溺れてしまう」

――養護学校
パチッ
終「あっ、天使君、起きた?」
テンシ「君は――終ちゃん。僕は、夢を見ていたのに」
終「いい夢だったの?」
テンシ「いや」
終「んっ?」
テンシ「一人だったよ」
終「そう!」
ウィーン
先生「時間が来たら席に座るように」
自動ドアを通った先生は、指示棒を新体操の様に回しながら歩き教壇に立つ
テンシ「くぁ」
終「相変わらず空気も倫理も読めない先生」

キーン、コーン、カーン、コーン
先生「不正解。この項目を水耕栽培と呼ぶ。ところで、水耕栽培は西暦何年の発明か知っているかね?天使君」
テンシ「くー……くー……」
テンシは、丸く膨張する鼻提灯を作りながら俯いていた
先生が支持棒を投げて鼻提灯を割る
パンッ
先生「解答をお願いしますよ」
テンシ「え……と」



彡(^)(^)



2chにて作品の要素を募りました

生物電気社会――電圧に因り生命系の再生が可能になった世界です。
かつて、2017年の沖縄の最南端に有る不明の島で、一人の少女が、冷房機器から現れた生命に虐殺された事件の記録から、 水面下にて発達してきたテクノロジーがありました。
そしてそれは、やがて、世間の手元に普及し、公の通信技術になります。

ゼノーヴァ「沖縄か。……何も無い土地ですねぇ」
ヤイト「その様だ……フフッv」

ゼノーヴァとヤイトは、マイ◯ナジー社のスーツを着たドイツ人です。
ゼノーヴァ「……何やら猥りがわしい声が漏れた様ですが……」
ヤイト「当然だ……vあの島は乱交が興隆を表しているからな……v」
冷たい瞳をしたヤイトの口から光悦な息が溢れる。
ゼノーヴァ「……全く」
うんこを漏らすプレデターがペニスを回転させながら揚力で飛んで来ます。
ヤイト「雑魚ですね」
ヤイトがヘリコプター系大型飛空挺の窓ガラスを透明化します。
ゼノーヴァ「気」
ゼノーヴァが人指し指から血のビームを出しプレデターを墜落させました。



彡(^)(^)



2chにて作品の要素を募りました

主人公「あうあうあーーーーーー!!!!僕の名前はグーミックだ!!!!」
主人公「僕の能力は!?そう!!グミをカチカチにする能力だ……」
主人公は灰色の迷宮を全速力で走っている――
主人公「ガムを噛み過ぎてあうあうあーーーーーーーーになってしまったんだ!!!!!!」

女「なにあいつ……<名前>なんて持ってるの?」
イケメン「<名前>は500000000000年前に『国立国会図書館』で焼失したはずだ」
女「国立国会図書館??確か地球にあった『日本列島』の建築物かしら」
イケメン「そうだ。たった2000本のミサイルで壊滅した島だ」
女「まぁ、私は学の話をしたいのではないんですよ」
イケメン「あの黒ずくめの男か?」
女「何だか全速力で走ってるみたいだけどw」
イケメン「名前の持ち主という事は、特殊な階級の男だな。間違いない」
主人公「ヒエエエエエエエエエエエエエエエエ」
女「あっ、こっちに走ってきた」
イケメン「構えて」
大聖堂の座席を足元にして高速で走ってくる主人公
主人公「あうあうあーーーーーーーーーーーー!!!!グーミックっていう名前は嘘だよっ!!!!!」
女「私は能力が使えないので、お願い」
イケメン「?……分かった。奴の顔をアンパンマンに変えろ――アンパンマン・ルナ・セラフィム」
主人公の顔がアンパンマンに変更されてゆく
主人公「ぎゅあああああああああっあっあっあっあっあっvvvvvvvvvvv息ができませんvvvvvvvvv」
主人公がポケットから複数のグミを取り出し、握力で尖らせたかと思うとカチカチにする
そして主人公が高くジャンプをして、複数のグミを地面に突き刺す
主人公「あうーーー天井にシャンデリアしかねえーーーーーーーーあうあうあーーーーーーーーーーーーーー」
主人公がシャンデリアで串刺しになってしまう
女「……物理学者様、こういう時はどうしたら良いでしょうか――?」
ブツリ「空気に魔法陣を書けばいいと思うよ。こうやって」
女「……魔法陣を展開します――」
魔法陣が壁から反対の壁まで展開される
イケメン「うおっ」
女「この後は?ブツリさん!」
ブツリ「唱えればいいんだよ」
女「何をですか?」
ブツリ「魔法」
女「……バリアー?なんちゃって☆」
魔法陣からバリアーが召喚される
バリアーで、灰色の城に点在する緑色の照明が次々に割れる
パリン、パリン
イケメン「……まぁ、奴も死んだしこれで安心だ。念のためだ、逃げるぞ」
主人公「」
女「分かりました。ちなみに、この古城から出られたら、解散ですよ?イケメンさん?」



彡(^)(^)



ドリームインナイトメア

ルナ『……』
『何故焼却処理しないんだ。不治の植物人間だし親族も見捨ててるじゃないか』
『コホッ。そうです。賄賂も頂きましたので早目に処理する事が我々の仕事かと』

医者『…彼女の聴覚は働いてる。何処かに行ってくれ』
ルナ『……』

ルナの母親『まだ生きてるんですか?娘にとっても死んだ方が幸せです』
医者『指切りの際、指を握り返してくるんです』
ルナの母親『御希望の金額ではなかったのですか』
医者『この子は強い……元に戻して御覧に入れます』
俯いた医者の頭がかくかくと震える
ルナの母親『ああ……私の手で処理致しましょう』
そう言うとルナの母親は、娘を串刺しにする

『ああ……血身泥に成りながらも心電図の波形が変わらない……何故その強さを、勇気に使わなかったのでしょう』
『ルナ……目が覚めたら、一緒に君の親を殴りに行こう。約束だ』
医者には、ルナの心電図が笑う様に震えて見えた

ーー出口の無い暗黒の迷宮ーー
ウェンディングドレスを身に纏った黒髮ロングの少女ルナは、黒尽くめの化物に追われていた
ルナ「ハァッ……ハァッ……」
ドドドドドドドドドドド
ルナ「……」
曲がり角の隅に身を寄せ、彼女は化物に二丁拳銃を構えた
しかし、背の壁が溶け出し、彼女は壁の中の闇に堕ちる

雪が降り積もる白銀の森の中の小屋からルナが転がり落ちる
銀世界とは反対に小屋の中は一切の暗闇に見えたが直ぐにルナの視界から離れた
雪がルナの体を支える
バサ……
間も無く化物がルナより上から大きい体で降ってくる

ルナは化物から走って逃げる
ルナ「ハァッ……ハァッ」
ルナは振り返り二丁拳銃を振り上げながら数発撃つ
銃の複数の出火が弧を描く
化物は複数のバリアーをバブル状に張ると直ぐにバリアーを解きルナに喰らい付く
ルナ「……ッ」
しかしルナの体に激しい大量の血の雨が降る
血身泥に成りながら大きい釣り目をゆっくり開くルナ
刹那の剣劇でズタズタに破れ散る化物
その背後には、妖精の羽根を持った、空中で直立しながらゆっくりとルナの目の前に舞い降りる複数の美男子の姿があった



彡(^)(^)



ヴァイスヒムメル

もし男のチームと女のチーム各10名ずつが精子入り水鉄砲で戦ったら
水鉄砲の中の精子は体液等の混入により生きているものとする
女性は皆基本的には精子が好きなものとする
男性は皆精子が嫌いなものとする
一人でも怒ったチームが敗北
ジャッククイーンが会話する学園小説や
楽兔リリが惑星エアデールを動き回る小説を描いた著者が新しく執筆する
VIP、いや、2chねらーの全てが期待してやまない小説である

先生「君達には今から殺し合いをしてもらいます」
スラムダンクの安西先生に似た先生はかすれ声でそういう
今は夜中の0時きっかりである
カルハ「はぁ?先生それパクリなんだけど。丸パクリは信用を落とすよ」
ロングの綺麗な黒髪に乾電池を所々に巻き付けた褐色の肌の女子中学生は先生に言う
先生「ほほ…まあ次にお前達に会うのは丸一日後や。それまで、君達は決着をつけるんだ。殺し合いと言ったが、実際には、負けたチームが切り裂きジャックであるワイによって、バラバラになるだけじゃ」
カルハ「先生切り裂きジャックにしては太り過ぎだから!」
先生「ほほ」
茶髪で髪の長さは普通だが無造作ヘアーで釣り目の女の子がカルハに突っ込みを入れる
ヤミ「先生に突っ込んでる場合じゃないから!」
バシン
カルハ「いてて」
ヤミ「も~」
先生「モー」
ヤミ「?」
先生「いやなんでも」
カルハ「訳分からんがな」
先生「お前達が可哀想だ。それだけ純粋な、まだ女子中学生の身が、今から命のために戦う」
カルハ「でもそれを決めたのは先生でしょ?」
先生「いや私ではない。私は圧力で動いてるだけだ」
ヤミ「?」
先生「先生はお前たちを殺した後に圧力で殺されるんだよ」
カルハ「圧力って何?」
先生「教えられなくてごめんね。それに知らなくていいんだ」
ヤミ「あっそ」
先生「なお10人ずつはしんどいから5人ずつに絞ろうかと思う」
そう先生が言うと10人の生徒が黒き旋風に刈られた
ヤミ「……血の雨だ」
カルハ「素直に感心しないでよろしい!」
そのまま先生は消えてしまった
カルハ「ったく、どうする?」
ヤミ「とりあえず、相手チームはどこにいんだ?見当たらねーぜ」
カルハ「それを探さないとな。あと私はぼっちじゃないけど、友人は少なかったから、こっちの残り三人は知らないよ」
ヤミ「私も知らねーなぁ」
カルハ「とりあえず男子チームを探しに行こう。みんな。あと、ここの地点は『左』としておこうよ」

男性チーム視点 0:05
ウインド「ヘリコプターに落とされてそのままヘリがどこかに行っちゃった」
オールバックで刈り上げヘアーな垂れ目の彼はウインドである
ヨマワリ「何でウインドみたいな変人と行動しないとならないの」
ウインド「……」
ウインド、彼は、確かに変人であった。この世の中にスーパー・アスペルガー症候群という1000億人に一人と推定される病を抱いて産まれるが、親族の希望で普通の子供と同じ道を歩めてきた
ウインド「この森、どうなってるのかな」
ヨマワリ「どうなってるって、森は森だろ」
ウインド「僕には友人がいないから、似てる事例が見つからないんだけど」
ヨマワリ「友人なんてウインドにできるわけない」
ウインド「僕とも似てないね」
ヨマワリ「似てる訳なし」
ウインドは闇雲に模索する事が好きな子だ。あまり考えるタイプではないが、体験の機会が非常に多い。今回も、チームワークでなければ、一人で森を調べていた
ウインド「文句ばかりじゃなくて、場所を調べないと」
ヨマワリ「これだから体育的な馬鹿は嫌いなんだ。僕は芸術派だけど」
ウインド「芸術って何?」
ヨマワリ「例えば枝で剣を作るのさ」
そういうとヨマワリは木から枝を引き抜き、ウインドを斬った
ウインド「痛いよ」
ヨマワリ「僕は馬鹿が嫌いだ。馬鹿は周りについていけないから空気を乱すし邪魔なんだ」
ウインド「ぼくは馬鹿かもしれないけど暴力は振るわないけど」
ヨマワリ「君は結構頭がいいと思う。だがコミュニケーション能力がまるでないね。俺は友人と楽しく遊ぶのが好きなのに、君がいると台無しになるよ」
ウインド「……」
ヨマワリ「常識のない奴は嫌いだ」
ウインド「でも暴力は振るっちゃいけない」
ヨマワリ「馬鹿は例外だと思う」
ヨマワリ、彼は、耳当てのついた黄色い帽子を被ったとても大きいサングラスの子である。
身長はチビである……
ウインド「とりあえず、森を模索しない?」
ヨマワリ「一人で行ったら?」
ヨマワリのサングラスが七色に光る
ウインド「ねぇ、この地点を『右』って名付けない?後で出会いやすくするためにさ。じゃ」
そういうとウインドは去っていった
ヨマワリ「…くくくくく」

女性視点 0:30
カルハ「は~、だいぶ歩いた。趣味でジョギングやってたから、それが助かってるな」
ヤミ「私は部活で活躍してたからか、余裕だぜ」
カルハ「ねぇ、この水鉄砲の中に入ってる精子って、誰のかなぁ?」
ヤミ「その量の精子とか元気過ぎだろ」
カルハ「かけられたら捗るわぁ」
ヤミ「精子飲んでみてーな」
カルハ「ね~」
ヤミ「涎垂れてるぞ」
カルハ「いや~えっちな事好きすぎて……」
ヤミ「私は彼氏がいるからなぁ」
カルハ「は~、疲れた」
ヤミ「部活に比べたら何のその~」
カルハ「ちょっと休憩……ねぇ、今の地点を『左上』って名付けようよ」
ヤミ「しゃーねーなー、20分休憩な」
アイ「きゃ!」
足から崩れ落ちる黒い猫耳をつけた釣り目の小さい女の子、アイ
カルハ「!」
ヤミ「大丈夫か?」
アイ「体弱いんですよ。体が小さ過ぎて」
カルハ「体の大きさと体の頑丈さって関係あんまないんじゃ」
アイ「骨が細いんですよ」
ヤミ「ふーん……テープつければ多少は頑丈になるよ」
カルハ「何で敬語なんだ?」
アイ「ありがとうございます。でもテープはいいですよ」
ヤミ「恩は受け取っとけよ」
アイ「借しができますから」
ヤミ「借しというと菓子を思い出すあたしは一体…」
アイ「敬語は育ちがいいからです」
カルハ「なるほど」
ヤミ「私も育ちいいよ」
カルハ「私は普通」
ヤミ「まあ、日本に産まれてる時点で育ちが悪いってのはあまりないだろうぜ」
カルハ「あまりはあるのか」
アイ「私は凄い育ちいいですよ。財閥なのです」
カルハ「凄いね」
ヤミ「凄いなぁ。で、アイは勉強できるのか?」
アイ「トップです」
カルハ「キー」
ヤミ「はは……ちょっと『凝らしめて』いいかな」
アイ「???お二人共、不良なんですか?」
カルハ「ピキピキ」
ドスンッ
木にアイを押し付けるカルハとヤミ
カルハ&ヤミ「調子に乗るなよ…調子に乗るなよ…!!」
アイ「恥ずかしい人達ですね。真面目に話して損をしました」
カルハとヤミの膣をそれぞれ両足で蹴りあげるアイ
カルハ「きゃっ!!」
ヤミ「いっ……てぇ」
アイ「お二人方の子宮付近に親指ほどのウイルスを嵌めこませて頂きました。私の声はそのマイクから聞こえます。GPSもついてます。今から大人しく私の言う事を聞いてくださいね。」
ヤミ「うるせ…ぇ…」
両足を木に叩きつけてダブルラリアットで軽く回転しながら二人の顔を叩き付け着地するアイ
アイ「あ~らごめんなさい。私工学部と情報学部の博士論文を二つ委託していますのよ。それにしても、こんな天然記念物二つに出会えるなんて、私、ある意味光悦ですよ」
カルハ「子宮口のウイルスはどうなるの!?」
アイ「御出産と一緒に出てきますよ。どうか。大人の玩具で遊んでいたと言い訳してくださいませ」
ヤミ「殺してやるから」
アイ「こんばんは~~」
ヤミ「……んっ」
アイ「私のヴォイスが貴女の子宮を振動させているのです。線香花火の振動で子宮が疼いた逸話を思い出されますでしょう?くくく」

男性視点 1:00
1:00――残り23時間
ウインド「だいぶ歩いた。この地点は『上』って名付けよう。さっき『右上』と名付けたエリアを歩いてきたばかりだから、ちょっと休憩しよう」
草木からガサゴソと音が鳴る
ウインド「なに?」
ガサッ
青い髪の子供がひょこっと現れる
カイ「ウインド!僕が君の事を無視すると思ったかな?黙って付いてきたよ」
ウインド「誰?」
カイ「ウインド、ところで、穴に挿れてくれないかな???」
ウインド「穴ならこの森に沢山あるよね」
カイ「……やだなぁ。僕の穴だよ」
ウインド「弱点の事?」
カイ「……嫌だなぁ。お尻の穴だよ。ウインドに会って、母性が収集つかないんだ♪」
カイ、彼もまた、ウインドには及ばないものの変人である。見た目は美少女にしか見えないが、おちんちんが付いていて、何故か常に勃起している。ミニスカートが凄くもっこりしているのだ。
彼は、心が女の子であるせいで、卑劣ないじめに合ってきた。しかし、今まで卑劣ないじめにも折れなかったため、強靭な心の持ち主と言える
ウインド「今休憩してるから」
カイ「わかった。ワンさんも一緒に寝よ?」
ワンさん「ワン!」
ワンさん、彼は、犬だがカイの子供である。幼少期は、カイのセーラー服の腹の中に入れられていた。カイの胎児として育ったのである
ウインド「……」
カイ「ねぇ、本当にそんな姿勢で休まるの???あたしに挿れて?」
ウインド「ちんこが当たってるから」
カイ「あっ…ごめん♪ちゃんとパンツに入ってたはずなのに♪」
ウインド「切れ目でも入ってるんでしょ?」
カイ「切れ目に小っちゃい小っちゃいヒルを飼ってるよ♪こんな大きくて長いだけのおちんちんなんて要らないから♪」
ウインド「……」
ガサガサ
カイ「……何?なんでウインド黙ってるの?」
ウインド「……」
ガサッ
カルハ「……敵だ」
ヤミ「よっしゃあ!このゲーム頂きだぜ!」
ぴゅっ
ヤミに精液入り水鉄砲を掛けられる
この水鉄砲で精子をかけられて、怒ったチームの方が負けなのである
ぴしゃ
精液はウインドにかかる
ウインド「……」
カイ「ウインド!」
ウインド「……」
カイ「……ウインド、何で怒らないの?」
ウインド「死んだふり」
ステーン
カイ「し、死んだふりする意味あるのぉ~~?」
ヤミ「なんでい、精子を掛けられても怒らない男なんて、女だぜ、女」
カルハ「つーか、女っぽいわ、こいつら」
ヤミ「今時の男の特徴特徴……あっ♪」
カルハ「んっ……」
アイ『あ~~ら、敵に遭遇されましたか?草食系男子なんて雑魚ですんで♪♪体術なりで退かせてください♪ちなみに私は今「下」のエリアから「右下」のエリアに向かってますので……♪あっ♪着きましたわ♪』
ヤミ「はや~~」
カルハ「味方にすると頼れるのにな」

男チーム ヨマワリ視点
ヨマワリ「ふぅ……ウインドの言うことを聞くのはシャクだけど、このエリアを『中』と名付けるか。しかし、マップの真ん中というのは、どこにでも短時間で行けるし、敵を捉えやすいし、重要なエリアなんじゃないか」
ヨマワリ「それにしても疲れたな。少し休むか」
1:30
女チーム アイ視点
アイ「う~~ん、原動機付き靴の移動は快速だわ♪『右』エリアに着きました♪」
ドイル「…何だあれ」
サッカス「この様な森の中で何も何もないですよ。もう、死んじゃいましょう」
アイ「はい終わり♪♪」
サッカスに精子をかけるアイ
サッカス「……」
アイ「?何故怒らないのかしら?データによると、一番怒りやすい男子なのに……もう一発♪」
ぴしゃ
サッカス「これは……」
アイ「とどめにお口に入れちゃいましょう♪」
ぴゅぴゅ
サッカス「クハッ…ドイルさん、これ、映画のワンシーンですよ。『ホワイト・ピストル』。映画の中で見ました」
ステーン
アイ「え……映画の体験のせいなのね……。教養のある冗談は嫌いじゃないわ♪見逃してあげます」
ドイル「なんだかあっという間だったな」
アイ「そうそう♪なかなかのポテンシャル(しかも二つ)を見ましたので、一つ教えてあげますが、得意分野と今の状況を照らし合わせて今の状況を理解なされると、動きが良くなると思いますわよ♪」
サッカス「これが……サバゲー……?」
ドイル「……待てよ、案外共通点があるんじゃないか?」
女チーム カルハ視点
カルハ「何この犬~~~~~~~~!!」
カイ「痛たたた……やってしまえ、ワンさん」
カルハ「可愛い~~~~♪♪おまんこばっかり舐めてくる♪♪」
ヤミ「バター犬だろ、それ」
カイ「ちゃうわ!!!」
ヤミ「?バター犬なんて用語知ってるんかお前?男なのに」
カイ「ドスケベですから」
ヤミ「うわぁ……」
カルハ「可愛い♪可愛い♪」
カイ「ところで私は、おまんこを舐められた事はありません。何故なら、おまんこが無いからです」
カルハ「当然ダロ。あんっ♪」
ワンさん「ペロペロ」
カイ「私達友達になれそうですね。それにしても、羨ましい」
カルハ「うん、いいよ。帰ったら、みんなでLINE交換しよう」
カイ「帰ったら……みんなでじゃ帰れないんだよね」
カルハ「そ、そうだよね……」
アイ『まだやってるんですか?さっさと退けなさい』
カルハ「うるさい、お前黙ってろ」
アイ『ククク』
カルハ「うるさい!気持ち悪い声出しよって」
チクッ
カルハの子宮の中にアイのウイルスが入り込む
カルハ「気持ち悪い……何してんだテメーーーーッ!!」
カルハの子宮に充満する程の蜂を産み出してしまうアイのウイルス
カルハ「あ……ア……」
チクッ、チクッ
カルハ「痛い……!私のお腹を射さないで……!」
どんどん膨張していくカルハのお腹
ウインド「カルハ君って妊娠してるの?」
ヤミ「アイにやられたんだ」
ウインド「アイ」
カルハ「止めて!お願い……します……何でも……スルカラ……♪」
アイ『勘違いしないてください。技術の無い人間は人間じゃないですから。』
カルハ「私の……私のお腹がぁ……!」
カイ「……腹なんて帰って手術すればいいさ」
ドンッ
樹にカイを叩き付けるヤミ
ヤミ「うるせぇ……カルハは赤ちゃんを産めなくなったんだぞ……!簡易に女心を踏みにじるなや」
カイ「……わかった」
カルハ「わ~~ん、子宮の中を蜂が次々と射してくる……痛い……痛いよぉ……!」
アイ『貴女、本来は安産型なんですよ。普通の子宮なら、痛すぎて気絶してますからね』
カルハ「私の赤ちゃんが……私の赤ちゃんが……」
アイ『残念な未来でしたね』
カルハ「この女本当に酷いよぉ……酷い……酷すぎるよ……!」
ヤミ「……」
ウインド「逆らえないの?」
ヤミ「……アイ様格好良すぎるんだわ。アシも速ぇし。マジカッケー」
カイ「……狂ったか」
ヤミ「狂っただぁ?アイ様に逆らう奴が狂ってるだろ。現実見ろよ。バーカ」
アイ『すみませんが先客が沢山いまして……決して幹部にはできませんわよ。ところで、そろそろ働いて頂かないと、痛い目に合わせようかと』
カルハ「……もう、痛い目に合ってるじゃん……!」
ヤミ「更に痛い目に合わせようってことだよ、ビッチ」
アイ『違いますわ』
ヤミ「す、すみませんでした……!」
アイ『通信は以上です』
ヤミ「ってことだから、通せや」
カイ「いいけど、カルハちゃんは頼んだよ」
ヤミ「なんで?」
カイ「何でって……あんたの友達だろ???」
ヤミ「知らないわこんなヤリマン。アイ様に楯突くとか馬鹿でしかないし」
カルハ「……わ~~ん」
カイ「よしよし……私達に着いてきて」
ヤミ「じゃあな、楽しかったぜ、カイ、ウインド」
ヤミは右上のエリアに走っていった
カイ「……クズ」
カルハ「お腹が痛いよう」
カイ「よしよし……今ヤミが走っていった方向、僕らが最初にいたエリアに、医療セットを隠してあるんだ。少しは助けになれるかも!」
カルハ「……腹筋を撫でないでよ……こんなお腹で発情なんて変態だよぉ……」
カイ「ははは……ところで、私心は女ノ子ナンデスケド」
カルハ「オチンチンカラ男性ホルモンガデテルヨ」
カイ「まじで切り落としてぇこのチンポ」
カルハ「……挿れて」
カイ「はっ?」
カルハ「貴方に癒されたい……女としてダメになった私そのものを……!」
カイ「いや~~……一応男だからかマンザラデモナイデスガ」
カルハ「くすっ。……出してね♪」

ドイル「……まあ、サッカスなりの捉え方なんだろう」
サッカス「いいじゃないですか」
ドイル「しかし、どうして開始以来ここから移動しないんだ?」
サッカス「どうせどこにいても水鉄砲をかけられて、怒らされるんですから、どこに居ても同じでしょう」
ドイル「ただ単に話していただけの様な気もするがな」
サッカス「ところで、RTSという事は、やはりなるべく複数人で集まった方がいいんじゃないでしょうか」
ドイル「複数人で集まって女性チームに絡めば人数的にまず有利という事か」
サッカス「あと、今の状況で、資源に対応する要素は何でしょうか?」
ドイル「元気とか?」
サッカス「またまた~~」
ドイル「それしか思い付かないだろう」
サッカス「思考に入れておきましょう。ところで、先程のセグウェイに乗った女をチームに入れるのはどうでしょう。強いと思いますし」
ドイル「敵チームの人間だろう」
サッカス「重要な要素をいかに使うかが勝利への重要性ですよ。ドイルさん」
ドイル「まあ、あと闇雲にチームを揃えるのではなく、強い奴だけで編成するべきだ」
サッカス「その通りですね。さて、マップの全体を把握できてないし、先程の女が去った方向に向かいましょう」

深夜 3:20
男性チーム ヨマワリ視点
ヨマワリは樹木に背を預け、戦闘中だと誰が見ても分かるような緊迫した闇の中で、あどけない顔で夢を見ていた。人の音が僅かにも聞こえない、深夜の森の中心の話である。
ヨマワリ「ぐー、ぐー…はっ…俺は寝ていたのか…」
樹木の葉がヨマワリの頬を掠める
ヨマワリ「痛い……血が……」

女性チーム ヤミ視点
ヤミ「ちっ、相手チームが見つからねぇぜ。大分探したのによ…そろそろマップの中央に入るな……」
一方、自然の音と聞き分けてヤミの足音を聞き取るヨマワリ
ヨマワリ「……人のリズムだ」

深夜3:40
女性チーム アイ視点
アイ「はー、先程は馬鹿な事をしました……。いくら雑魚ばかりだという推測の元でも、相手に戦力を与えては駄目です」
アイ「ところで相手は少ない方がいいですから、遭遇の少ない壁際を永遠と巡回しているのがセオリーになりますわね……ああ、退屈な戦いです」
アイ「ですが、味方が怒ったら私も死んでしまいますから、情報の少ない今の内は、遭遇の多い中央で動く事にしましょうかね」
アイは自作スマートフォンを取り出す
ピッ
アイ「あら裏切り者ヤミさん。私も今中央に向かっています。私には御協力宜しくお願いします♪」
ヤミ『裏切りじゃねえ。最初から怪しい奴だと思ってたんだ』
アイ「あら、口答えですか?小学校からカルハさんと全裸で抱き合ってた貴女が何を言うのでしょうか。脳波に書いてありますわよ?」
ヤミ『脳波って何だ?』
アイ「くすくす……正弦波って知ってますか?」
ヤミ『知らねえ』
アイ「…」
アイがヤミの子宮口にウイルスを入れ、子宮内に蜂を次々と作らせる。
ヤミ『や、やめて』
アイ「可愛らしいですがご生憎様、恥ずかしく図太い声と台詞が調和していませんよ」
ヤミ『やめてェーーーッ!!私の赤ちゃんがぁーーーーーっ!!!!』
アイ「貴女が子供を恥ずかし気もなく産めるなら今日日世界中のどこかしこで一人っ子政策が行われてますね……では、通信を切ります」
ピッ
アイはレーダーを見る
アイ「……どうやらヤミさんが相手チームと接触した様ですね……ヤミさんは怒り易くなってますから、速く向かわないといけません……はぁ」
セグウェイで右→右下→下→左下→左と移動し、悠然と中央に向かっているアイであった。

深夜 3:50
女性チーム
アイリス「……」
ノーサ「もう終わり……死のう……」
アイリス「死んじゃ駄目……きっともうすぐ迎えが来るよ」
ノーサ「もう終わりだよ……」
アイリス「こういう時は助かるから」
ノーサ「何で?」
アイリス「私が生きてるから」
ノーサ「深いい意味はあっても常識的に終わりだよ……」
アイリス「……」
ノーサ「ねえ、ここから動こうよ……先生が消えてからずっと動いてないし……」
アイリス「どこに動くの?」
ノーサ「上がいい」
アイリス「なんで?」
ノーサ「助かりそうだから」
アイリス「結局助かる気なんかいっ!」
ノーサ「死にたくても死ねないから……」
アイリス「……とりあえず上に行こう、ノーサ」
ノーサ「うん」
深夜 4:00
女性チーム アイ視点
アイ「あ~らヤミさん、丁度鉢合わせましたね♪満月に似合う臨月♪お似合いのお腹ですよ♪」
ヤミ『蜂を何とかしろ……いや、してください……!痛ぇ……!』
アイ「私、妊婦は空気が読めていないので嫌いですから、なんとかしてあげません♪」
ヤミ「もう……赤ちゃんすら産めねえ……」
アイ「まあまあ、股間からしたたる血がいかにも女の子らしくて女性としての供養として素敵ではありませんか♪貴女も、気絶しないだけ安産型だったんですよ♪最もその堅牢な子宮は蜂の棲み家としてしか機能しませんが♪」
ヤミ「……子宮が頑丈ならまだ赤ちゃんも産めるかな……へへっ」
アイ「卵子に毒が行き渡ってるのにどうやって子供を産むつもりなのか教えてください。貴女は卵子も筋肉で出来ているんですか?」
ヤミ「……ところで、この男は誰だ」
アイ「……」
ヨマワリ「……」
ヤミ「おい、何とか言いやがれ」
ヨマワリ「……そこの猫耳の女。頭に血が上ると周りが見えなくなるタイプと見た」
ヤミ「……ぷっ、そういう見方があるんだなぁ!!もっと言ってやれよ!!」
アイ「頭に血は上ってませんが」
ヤミ「お前みたいな知的な男……好きだぜ……♪」
ヨマワリ「好かれる事はしてない……と思う」
アイは指先の手袋からヨマワリに蜂を飛ばせる。
ヨマワリ「蜂……?」
ヤミ「どけっ!」
ヨマワリを突き飛ばすヤミ
ヤミが蜂を握り潰す
ヤミ「へへっ……お前の皮肉……素敵だぜ……♪こいつは危険だから警戒した方がいいぜ」
ヨマワリがヤミの股間に精子入り水鉄砲をかける
ヤミ「ん……♪何で……?♪」
ヨマワリ「露骨に暴力する奴は嫌いなんだ、死ね」
ヤミ「……お前の精子をかけられるなら本望だ!!なあ、あたしの蜂をなんとかしろよ!お前の知性で!!あたしの恋心を抱いた傷だらけの赤ちゃんが産まれる所をなんとかしてくれよ!!!!ハラが熱くて寒くて仕様がねえんだよ!!!!!!!!」
アイがヤミを真っ二つに切り刻む
強い恋心を抱いていた女の熱く激しく赤血球の犇めく血液がヨマワリの顔面や肩に鋭く降り注ぐ。まるでタスケテと言う様にヨマワリの体に女の血が広がり侵食してゆく。
アイ「……電界の値を上げましたが、予想以上に電界が変化しましたね……。何故でしょう……」
ヨマワリ「……なんなんだ……全く……」
森の樹木一つ一つが、目に見えるスピードで実に僅かに成長してゆく――
アイ「これは……!」
無人島全体に音声が行き渡る
先生『私達の教え子が人殺しをするとは思わなかった。罰として樹木を成長させてそこから永久に出られない様にしてやる。ついでに迎えにも来ない。去らばじゃ。』
目を大きく見開き暗黒の中微動たにしないアイ

男性チーム ウインド視点
カルハ「ヤミが相手チームに殺されたって……」
カイ「……」
カルハ「……うわぁあぁあああん」
カイ「……同じ男として謝るよ。ごめん」
カルハ「あぁあああぁあああぁあ」
カイ「……」
カルハ「私が仇を取るから……っ!」
カイ「ごめんね」
カルハ「あなたは男らしくして……私の旦那なんだからっ」
カイ「ご、ごめん」
カルハ「ヤミ……!ヤミ……!」
カイ「……ウインドはどうしたんだろう」
カルハ「……私達がセックスする前にどっか行った」
カイ「空気が読める奴ではあるけど……」
カルハ「もっと毅然とした態度を取って、あなた」
カイ「く、空気が読める奴ではあるんだけどなぁ!」
カルハ「……クスッ。あなたも一緒に私達の赤ちゃんの名前、考えてね」
カイ「……ところで、森の密度が目に見えて増してるけど、大丈夫かな」
カルハ「……私達、将来は一緒に過ごすのよ」
カイ「お、おう」

深夜 4:30
女性チーム アイ視点
アイ「受精するのを嫌う女性チームの性質がヤミには無かった……そもそも妊娠できない体になっていたからです……という事は子宮に蜂を入れると無敵になりますから味方全員の子宮に蜂を入れた方が良いですね……」



彡(^)(^)



逆さの森……樹木が逆さに育つ森だ
僕らはそこで狩りをしてきた……尤も、この森は広すぎてあらゆる移動手段を使っても外には出れないが……
あるべき空には根が侵食し、あるべき地面には底無しの樹木がある
僕たちは馬鹿ではない。この世界を利用する武器や移動手段を沢山作ってきた。それらを奪うモンスターやキカイもあるが……。
もう一度言う。僕たちは馬鹿ではない
カノン「ポップコーンうまいわ」
サギ「そんなの食ってる場合じゃねえだろうが、獲物がいるで。あいつを倒せば賞金10000エニンだぞ。わかったか!」
どこか日本の円に似ている通貨である
カノン「キカイだな。先祖様が作り出したらしい。自分の尻は自分で拭けって言ってやりたい」
サギ「相手、気付いてないぜ。センサーも対人思考抽出機能も付いてるのにな」
カノンは赤装束に身を纏った黒髪ツンツン頭で狐目の小さな男である
サギは2m50cmは超えている超筋肉質で複雑な模様の着いた黄色のタンクトップを着ている金髪の枝分かれしたモヒカンである
カノン「対人思考抽出機能か……嫌な代物だぜ。思考内容や想像すら読み取るんだからな。だいたい、どれだけ抽出できる範囲が広いんだよ。キカイ様々だな」
サギ「この状況、ロケットキックだけでなんとかなるんじゃね?こっちに気付いてねえよ」
カノン「あまり強そうなキカイじゃないな…やれ」
サギ「俺様のロケットキックを食らえや!」
バシュ
カノン「馬鹿!そんな大声を出したら幾らなんでも気付かれるぞ!」
サギ「正常に動いてたらもう気付かれてるわ」
ドゴォォォ………
サギのロケットキックがキカイに命中しバラバラになるキカイ
カノン「高が人間のキックなのに、威力高過ぎだろ!」
サギ「ぎゃははは!バラバラやが!!!!おい、さっさとシリアルナンバーを取りに行こうぜ!!!!」
カノン「お、おう。現れよ、小型飛行機、マシナリ」
そういうと空中で小型飛行機が構築される
カノン「行くぞ」
超スピードで先程倒したキカイのシリアルナンバーを獲得しに行くカノン達

ーー5:30 木の枝にぶら下がったカノン宅
カノン「さっき倒したキカイの名前は『HRX4000』だな」
サギ「ちゃんとセンサーや対人思考抽出機能も付いてるだろ?」
カノン「ああ。何でこっちに気付かなかったんだ?」
サギ「キカイが向かっていった方向は……『ステイラーの古城』だ。相互学習能力があるコウモリの集合が厄介らしい」
カノン「例えば?」
サギ「あるコウモリを攻撃したら、その攻撃の威力や軌道を他のコウモリ達が超音波を用いて知れるという仕組みだ。更に吸った血を用いて吸われた人間のクローンとなるウァンパイアを形成できる、と」
カノン「ふーん、戦いたくない。まあ吸血できた人間のウァンパイアしか作れないのならコウモリより弱いウァンパイアしかいないだろうが、問題は奴らが学習する点だな。コウモリ自体が強いだろう」
サギ「それで、何でステイラーの古城に向かっていったんだ?」

カノン「さあ……王女がいるとは聞いたことがあるが」
サギ「それって王女の命が危ういんじゃねーか」
カノン「まあな」
サギ「まあなじゃねぇーーーー!!!!王女の身を救ったらいくら古城の姫君でも報酬がドカドカ入るぜええーーーー!!!!これは早く行くしかねぇ…………先に行ってるぜ!!!!」
超スピードで玄関を開けて出ていくサギ
カノン「待て待て、まだキカイの報酬も得てないんだぞ。……って行っちまった。俺も追わなきゃ」

ーー6:00
ステイラーの古城
エメラルド色の木漏れ日がタイルを差す
カノン達の移動速度の方が殆どのキカイより速かったらしく、あまりキカイはいないが、空に飛行できるキカイが数多くいる
サギ「ほらな、キカイは一体だけじゃねえ。奴ら集団操作されてんだ」
カノン「まだ数は揃ってないな……尤も、空を飛べるキカイは揃ってるが……」
サギ「中に入るぜ。姫君を助け出して報酬だぁ!」
既に空中でコウモリの集合と戦っているキカイ達ーー

ステイラーの古城 1F
執事「……あなた達は……」
サギ「どけ!早くしないと王女が危ねぇ!」
カノン「早くすると王女が危ういの間違いじゃないか?」
執事「お待ちなさい、エレベーターは壊してあります。上には登れません」
サギ「はぁ!?窓からも侵入できるだろうが!!何でそんな事をしたんだ!!」
カノン「ちょっとうるさいぞお前」
執事「ほっほ……窓も閉めてあります。今の声は、王女にも聴こえたでしょうが……元気のいい子供達だ」
サギ「俺はガキじゃねえぞ」
カノン「俺はまあガキだな」
執事「……私は……ウァンパイアだ。君達は、悪い子供達ではない。そう考えられる」
サギ「ガタガタ言う前に早く王女を救い出せや!まだキカイの数は揃ってねえぞ!!」
執事「……君達を最上階に通そう。姫を、遠くまで連れていってほしい。連れていって、そして」
サギ「そして!?」
執事「普通の世界を見せてあげてほしい」
サギ「分かったから通せ」
執事「城はコウモリと私達ウァンパイアが守ろう」
カノン「コウモリだけで城の壁は大丈夫か?強いキカイは本当に強いぞ」
執事「ほっほ……あのコウモリは『化物』だよ。文字通り、化けゆく物じゃ」
カノン「……わかった。無事でいろよ」
執事「では、魔方陣を唱えよう。オ・ンオギ……」
ヴン
カノンとサギ達を魔方陣が包む
執事「どうか御達者で」
カノン「ああ、じいさんもな」
サギ「死んだら姫様が悲しむぜえ?」

ーー古城 5F
姫君の目の前に魔方陣が現れる
サギ「お、可愛い子ちゃん~~~~」
カノン「口を慎め」
姫君「……貴方達は?」
カノン「悪者ではありません」
姫君「悪者じゃないのは魔方陣を見れば分かる」
カノン「は、はあ」
姫君「貴方、作法もできないの?さっきから敬語になってないわ」
カノン「お言葉ですが、貴女も…」
姫君「五月蝿い!」
サギ「元気いいな、名前は?」
姫君「シイナ」
カノン「乗りもいいな…」
サギ「お前の嫌いなタイプじゃね?」
カノン「口を慎め」
シイナ「赤い服の人、顔が赤いですよ」
彼女はシイナ、水色ボサボサセミロングの髪型でスラッとした礼儀正しい(?)つり目で目に輝きの無い女の子である
カノン「う、うるさい」
サギ「可愛いしな。可愛さだけでもお目にかかれねえ女だ」
シイナ「失礼だな大きい男。何が可愛さだけでも、なの?」
サギ「俺の名はサギ。ただの女じゃねえという事はすぐにわかった」
シイナ「どういう意味だ」
サギ「三人で決めポーズやろうぜ」
バシッ!
一瞬でキメるシイナ
サギ「カノン、いいか?俺はこの女が苦手だ。同じ馬鹿だから分かる……こいつは天性の大馬鹿だ」
カノン「だんだん顔が青ざめてるしなお前」
シイナ「ところで、キカイが押し寄せてくるわよ?どうするの?」
カノン「そうだ、離れなきゃ。出でよ、マシナリ」
マシナリはカノンが召喚できるキカイであり空を飛ぶ小型の乗り物である
サギ「これに乗れ」
シイナ「わかった」
カノン「飛ぶぞ」

ーーステイラーの古城 空中
サギ「しっかり捕まれ!キカイが追いかけてくるぜ!!!!こいつらは俺達より速ぇ!」
シイナ「大魔方陣…展開」
カノン「何を唱えてるんだ?」
シイナ「ブラッディプリズン(液体→固体)!」
空を飛ぶキカイ全てに血液が覆い、固体化した血液が槍として突き刺さるーー
カノン「……」
サギ「おーー、怖」
シイナ「まだ死んでない奴らがいる……ブラッディプリズン(固体→液体)!」
今度は突き刺さった固体の血液が溶け、球状になってキカイを覆うーー
カノン「無駄無駄、強いキカイは強いから、それでも死にはしないよ。凄いけどな」
シイナ「相手はキカイだから液体に弱いかと思ったんだけど」
カノン「なあ、気体や液体や固体に形状変化できるのか?」
シイナ「そうだよ」
カノン「へー、いや、今後世話になるからさ」
シイナ「何時まで?」
カノン「シイナが普通の世界を見れるまで」
シイナ「ん?あの、根っこの上?」
そういうとシイナは空を差す
カノン「ネタバレなんだけどね」
と照れるカノン
サギ「よ!男前!!!!」
カノン「それは目標で、一先ずはキカイから逃げなければならない。何故、シイナがキカイに追われているのか、知らないけど」
シイナ「君、年下なのに生意気じゃない?」
カノン「は?」
ゲンコツを食らうカノン
カノン「いてっ!!か」
シイナ「あんまり女性に対して干渉しない方がいい」
カノン「干渉しないとシイナが死ぬんだって」
サギ「恋……だな」
カノン「恋じゃないって」
サギ「若いって羨ましいわ。くーー」
突然ペンダントを捨てるシイナ
カノン「何するんだ?」
シイナ「いや、あのペンダントには永久バッテリーの知識が眠っているんだ。だから、これ目当てなのかな、と」
顔を会わせるカノンとサギ
サギ「ま、まあ、大丈夫じゃね?」
突如方向転換をするキカイ達
カノン「撒けそうだな。お前達、脳からイメージを取り除け。下手に刺激したら、またこっちにくるぜ!!」
急加速するカノンの小型飛行機、マシナリ

ーー6:30 カノンの家
カノン「はー風呂でも入るか」
シイナ「あの」
カノン「はい?」
シイナ「女性優遇じゃないの?」
カノン「今、多分、男臭いよ。意識してなかったけど」
シイナ「…洗って」
カノン「…はい」
ボサボサセミロングのシイナは料理を始めた
シイナ「ベーコンある?サギ」
サギ「あ、あぁ?」
シイナ「男だろ?肉を食いな」
サギ「サバサバし過ぎだろお前、慎めよ。ベーコンはあるぞ、はい」
シイナ「ありがとう。卵はある?」
サギ「はい」
ジュ~
シイナ「カノンとサギって、朝ごはんはまだ?」
サギ「まだ」
シイナ「ごめん」
サギ「いいって事よ。それより、永久バッテリーの知識ってのは、誰でも見れる代物じゃないんだろ?」
シイナ「分からない」
サギ「あのねえ……お前の保護者じゃねえんだぞ俺は」
シイナ「私の世話は執事が見てくれたわ」
そう言い料理を出すシイナ
サギ「料理は上手いな」
シイナ「あの赤い服のカノン君っていう子は優しかったのに……」
サギ「味も旨いな。さすが執事だ」
シイナ「……料理は自分の力よ」
サギ「どうやって料理してたんだ?そもそも食事は料理人が持ってくるんだろ?」
シイナ「自分のキッチンを持ってた。あ、カノンだ」
カノン「風呂炊けたぞ」
シイナ「ありがとう。入ってくるよ」
サギ「……」
カノン「どうした?」
サギ「いや、朝から疲れたなと」
カノン「はは、まあ、お疲れ様」
サギ「うむ、じゃ、寝てくるぜ」
カノン「分かった」
そういうとサギは部屋を移動する
シイナ「きゃーっ!!」
カノン「どうした!何があった!」
シイナ「サギが入ってきた!!」
キド「わりぃ、素で間違った」
シイナ「裸だっただろお前!」
サギ「気のせいだ」
シイナ「『気のせい』じゃないわ!」
カノン「はは……俺も疲れたな。朝御飯を食って寝るか」
シイナ「裸で入ってきて何が間違えたよ!!」
サギ「あんまり叫ぶなよ……毛、ちょっと見えてるぞ。水色か」

ーー深夜 カノンの家
???「キカイに永久バッテリーを与えたのはお前かあああああああああああ!!!!!」
振動と共に怒声が鳴り響く
シイナ「……誰?」
ドアが激しくノックされる
シイナ「カノンやサギは男だからあまり起こしたくないわ……でも、玄関の人、怖い……」
シイナは恐る恐る玄関を開ける
すると、血管で顔面が紅色に染まり眼球が今にも飛び出そうな髪の荒れた男が襲ってきた
シイナ「きゃっ……ブラッドカッター(気体→固体)!」
???「ぐ!!」
飛び出したというよりは眼球が半分出た男のこめかみがえぐれる
シイナ「どうされたんですか?永久エネルギーを与えたのは私です」
???「お前…最悪だぞ」
シイナの髪がぞわりと浮かび上がる
シイナ「……最悪と呼ばれたのは初めてです……」
怒る男「最悪だ。キカイは永久エネルギーを得て、死ななくなったんだ。バラバラに解体はしても、電気が抜けないキカイは、永久的に人の思考過程を読み込めるんだ。更には、それをネットワークで共有している」
シイナ「…」
怒る男「キカイは死なないがキカイがキカイを作る事は依然としてできる。この地は既に監視世界(ユニティ・フィールド)になった。それは皆お前のせいだ」
シイナ「ユニティ・フィールド?」
怒る男「そうだ。キカイは人の思考を抽出することができるだけではなく、眼球や嗅覚のパルスを抽出して視覚・嗅覚を読み取れる事は知っているだろう。シリアルナンバーを取られるのは人間の方という訳さ」
シイナ「…どう償うべきでしょう」
怒る男「死ぬべきだ」
シイナ「……!く……!」
言われたことない言葉で、床に吐き出すシイナ
怒る男「吐いたってどうにかなる問題じゃない。死ね」
顔が真っ青になるシイナ
怒る男「死ね」
玄関を飛び出すシイナ

真っ青の見た目を更に真っ青にしながら夜の森を走って崖の方に上る
やがてシイナが崖に着いた
シイナ「ハァッ、ハァッ……みんな、今死ぬから……!」
森は静かに佇む
カノン「何やってるんだ?」
サギ「顔色が悪いぜ」
シイナ「!!何で貴方達がここに!!?私は今から死ぬの!!邪魔しないで!!」
少年が森の風に吹かれながら言った
カノン「死ぬなよ。お前は俺達より価値があるじゃん」
サギ「いやいや、価値とかいう問題じゃねえだろ……っていうかこれはシイナなりの冗談だぜ、高度な冗談」
シイナ「……いい?私がキカイにペンダントを与えた事で、キカイが永久エネルギーを得たの」
シイナ「そうして、キカイは壊れても私達人間への監視プログラムを止める事がなくなり、半永久的に私達を監視する能力を手に入れた」
シイナ「……それをユニティ・フィールドって言うの」
サギ「ユニティ・フィールドって何だ?スーパー・フード?」
カノン「腹減ってるとしても場違いだ、やめろ」
シイナが泣きながら説明を続ける事小一時間が経った
シイナ「私のせいで人類が監視されるんだよ?私、責任を取る」
カノン「だから?キカイが俺達の事をより詳しくなるだけだ」
シイナ「貴方……何を言ってるか分かって……」
サギ「知ってても対処できない事は沢山あるんだぜ、お嬢ちゃん」
シイナ「電子レベル未満に細かくならないと破片からでも情報を取得できるのに……?」
カノン「とにかく、死ぬなシイナ」
シイナの視野が涙で満たされる様に、意志の歪みが正常に補正されてゆく
シイナ「いやだ……私死ななきゃ……」
カノン「俺が許さない」
サギ「何で?」
カノン「好きだから」
サギ「うほっ」
サギの脊髄が伸び縮みする
シイナの皮膚から覗き見える外界は、静かに、涙がこぼれ落ちる様に、真下へ線を引いていった

14:00 カノンの家
シイナを死に促した汚めの男はカノンに殺され、刻々と時間が過ぎてゆく
サギ「なあ、カノン」
カノン「?」
サギ「キカイが永久エネルギーを得た事で死ななくなった事で、キカイの進化スピードが更に速くなるよな」
カノン「……」
サギ「それも急速に速くなる。それに、従来のキカイの俺達人間に対する侵攻性能は決して低くなかった。茫然としてたら、乗っ取られる」
カノン「だからって捕まえてても、死体の価値は減ったし増殖速度も速いし、効果は無い」
サギ「……なあ、ところで俺の名前って何でサギなんだ?」
カノン「え?いやぁ……知らん……」
サギ「俺のお袋が悪意を込めて付けたと思うか?」
カノン「それはないんじゃ……色々な意味で……」
サギ「色々な意味で、無い、と」
カノン「ありえないって言った方が正解かな」
サギ「俺の世界では普通の事だ」
カノン「……まぁ、いい事なんじゃ?」
サギ「そうだろう、そうだろう?」
カノン「参考にしたくない世界だ……」

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